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ビール成分に放射線防護効果を確認!地ビール館の地ビールで元気に!

独立行政法人 放射線医学総合研究所により、ビール成分で放射線防護効果を確認したようです。放医研・東京理科大の研究チームがヒトの血液細胞とマウス実験で実証放射線防護効果は最大34%にも及ぶとのことです。


ビールの放射線防護効果の確認実験

ビール摂取前とビール大瓶1本を摂取後3時間後に採取した血液(血中エタノール濃度は約10ミリM*モル濃度)にX線または重粒子線(炭素イオン : 放医研HIMACでがん治療に利用されている)を1グレイから6グレイまで照射し、摂取前後での血液細胞の染色体(ヒトリンパ球染色体)異常を比較した。(図1参照)


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図1. 放射線により生じた血液細胞一個あたりの染色体異常の数
(飲酒後の染色体異常の数は、飲酒前のそれより明らかに少ない)


その結果、ビールの放射線防護効果は、X線ばかりか重粒子線(炭素イオン)にもあることが確認でき、これは、マウスの骨髄死を調べる実験でも同様であった。


図2. では、ビールの効果がエタノール単独の効果よりも高いこと、ノンアルコールのビールでは放射線の防護効果が認められないことが示されており、ビール中のアルコールはビール成分の吸収に一役買っていることが示唆された。


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* 生理食塩水(コントロール)
図2. ビール他の放射線防護効果比較 (ノンアルコールでは効果が認められず、エタノール(アルコール)単独よりも、ビールのほうが放射線防護効果が高い)



ビール成分の放射線防護効果の確認実験


これらの結果、ビール成分に放射線防護作用を示す物質が含まれていることが予測された。このことを実験的に確かめる ため、ビールの微量成分であるシュードウリジン、メラトニン、グリシンベタインをそれぞれヒトの血液に添加したり、あるいはマウスに投与(経口投与、腹腔 投与など)して放射線防護効果を調べた。具体的にはX線もしくは137Csが発するガンマ線のような低LET放射線と LET50keV / μm(キロ電子ボルト/マイクロメートル)の重粒子線(炭素イオン)を用い、照射量を変化させた時の染色体の異常、マウスの生存率(照射後30日の生存確 率を調べる)などを測定した。その結果、ビールに約5μg / mL含有するシュードウリジン(注1)をヒトの血液に添加した実験では、4グレイのX線照射後のヒトのリンパ球細胞の染色体異常が無添加のコントロールに比べ34%、4グレイの重粒子線(炭素イオン)の場合には、32%減少した。(図3参照)


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図3. シュードウリジン添加ヒトリンパ細胞に放射線を照射した染色体異常の数
(無添加に比べ、染色体異常の減少が明らか)


同じく、ビールに極く微量含有するすることが知られているメラトニン(注2)では、マウスを使った実験からガンマ線照射の場合14グレイから21グレイで防護効果があったが、重粒子線(炭素イオン)では全く効果がないことが認められた。(図4参照)


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図4. メラトニン投与マウスの放射線を照射による陰窩*数の変化 (メラトニン投与によって、ガンマ線では陰窩*数の減少が抑えられるが重粒子線では変化が無い)

※陰窩とは : マウスの腸管上皮直下の細胞集団で、「陰窩」と呼ばれる組織。放射線照射によって数が減少することから、放射線影響の実験に用いられる。


さらに、ビールに約80μg / mL含有するグリシンベタイン(注3)をヒトの血液に添加した実験では、4グレイのガンマ線照射後のヒトのリンパ球細胞の染色体異常が無添加のコントロールに比べ約30%(最大37%)、4グレイの重粒子線(炭素イオン)の場合には、17%減少した(図5参照)。


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図5. グリシンベタイン添加時に放射線を照射したヒトリンパ球細胞の染色体異常の数
(無添加に比べ、染色体異常の減少が明らか)


また、マウス腹腔内投与した場合には、全身照射による骨髄死を明らかに抑制することが確認された。(図6参照)


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図6. グリシンベタイン投与マウス放射線照射後30日の生存率
(グリシンベタイン48mg以上の投与で骨髄死を抑制)


【今後の展開】


一連の実験でビール成分には放射線防護効果があることが明らかとなった。この防護メカニズムを明らかにしていくこと や血液細胞以外の他の臓器細胞での放射線防護効果の確認、さらに他のビール成分での防護効果を探査していく。一連の防護効果確認実験では、被ばく前にビー ルを飲むと防護効果は高まるという結論を得た。だが、被ばく後に防護効果があるのかは、いぜん未解明のままであり、さらにビール成分が放射線防護効果を持 つメカニズムの解明を進めてゆく。


注1. β-pseudouridine (シュードウリジン)

N-methyl-N'-nitro-N-nitrosoguanidine (MNNG)により誘発されるサルモネラの変異がビール添加により抑制され、その効果はビール中のシュードウリジンによることが2002年岡山大学の吉川 友規氏らによって確認された(MNNGはDNAをアルキル化することによりDNA切断を起こし、染色体異常を引き起こす物質である)。シュードウリジン は、ビールに約5μg / mL含まれているが、製品によって含有量は異なっている。


注2. Melatonin (メラトニン)

メラトニンは、脳内の松果体から分泌されるホルモンであり、体内時計を調節している。メラトニンの放射線防護効果は、1995年に Vijayalaxmiらにより初めて報告された。ビールには約50~300 pg / mLのメラトニンが含まれている。


注3. グリシンベタイン (別名 : ベタイン,トリメチルグリシン)

グリシンベタインは主に砂糖大根から分離精製されているが、エビ、カニなどの水産物や麦芽、キノコ類、果実などにも 多く含まれている天然の物質であり、甘味料として利用されている。冠動脈疾患のリスクファクターとされているホモシステインを減少させることが知られてお り、高脂血症、脂肪肝、肝機能障害、肥満等の改善に有効という報告がある。
また、ホモシステインをメチオニンに転換させる作用を利用してホモシスチン尿症患者への利用が報告されているほか 2-chloro-4-methylthiobutaniod (CMBA)による突然変異を抑制することが報告されている。ビールには約80μg / mL含まれているが、製品によって含有量は異なっている。


データ元:独立行政法人 放射線医学総合研究所




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